活動レポート  (2010年1月発行 vol.0070)

ルワンダ視察報告

2009年10月14日から11月3日まで、スタッフの野村(10月26日まで)、野崎がルワンダへ行ってきましたので、そのご報告をさせていただきます。今回の目的は、女性、青年の経済自立支援のために建てたニューホープ職業訓練校が2008年に10周年を迎えて、昨年は節目の年であるため、学校プログラムや運営全体の見直しをするために行きました。

ルワンダの様子

建設中のビルが立ち並ぶキガリ市中心街
建設中のビルが立ち並ぶキガリ市中心街

11月現在の季節は、雨季です。赤道直下なのですが、高地なため、朝夕は冷え、日本の10月初めくらいの服装が必要でした。 ルワンダは、1994年の民族闘争、フツ族のツチ族に対する虐殺から今年で15年経ちました。戦後10年までは、あまり大きく目に見えて変化は感じられませんでした。2005~6年、アカデミー賞候補になった映画の「ホテルルワンダ」、「ルワンダの涙」などの影響も受け、観光客が増加し、毎年のように、町中に高層ビルが増え、景色が変わっていきました。 建設中のビルが立ち並ぶキガリ市中心街 2003年に初の大統領選挙が行われ、民族差別をなくし、新憲法に、少なくとも30%を女性に、というクオータ制(割当制)が明記されているため、現在、国会議員の56.3%を女性が占めています。これは世界第一位です。 汚職にも厳しく、私達が滞在していたころ、要職にあった方々も今は刑務所の中・・・と言う人も少なくなく、アフリカには珍しく徹底しています。世界銀行からは、グットガバナンスの国と評価されています。産業は、コーヒーなどが戦前の信用を回復し、好調、管理システムなどコンピューターが至る所に導入されびっくりします。 ルワンダの日本大使館も今年1月に開館されます。安定してきたことを感じます。

学校の様子

授業を終え、帰宅する生徒達
授業を終え、帰宅する生徒達

現在学校には、4つのコース洋裁、刺繍、理容美容、料理があります。私達が訪問した。 時は、丁度、学外実習へ行くための準備をしているときでした。

 
学外実習中の美容コースの生徒達
学外実習中の美容コースの生徒達

洋裁コースは、街のアトリエへ、美容コースは、美容室へ、料理コースは、レストランやホテルに行きます。刺繍コースは、学内で行います。 期間はそれぞれの受け入れ先によって、違ってきますが、1~3ヶ月間です。その期間の頑張りによっては、そのまま就職できる場合もありますので、真剣に取り組まなければなりません。

開校したころは、女性が身につけたい技術のトップだった洋裁、刺繍は、就職が厳しいこともあり、希望者数が減ってきました。それに比べ、理容美容、料理といったコースは、人気が上昇し、特に理容美容は2クラスに増やし、料理も受け入れられないほどの希望者がいます。こういった付加価値のあるものに人気でてきました。

 
刺繍コースの生徒達
刺繍コースの生徒達

最近は、国も先進国目指して努力しているので、技術のレベルアップの必要性も感じます。 すべてのプログラムを見直すため、コース別に教師の意見を聞き、よりよいカリキュラムの進め方や節約できるところなど、一緒に考えてもらい、何度もミーティングを持ち、話しあいました。 洋裁、刺繍は、希望者が少なくなったとはいえ、まだ、オーダーメイドの方が主流であること、利益をもたらすものを生産できることから、コースと並行しアトリエ(洋裁店)を作り、経済的自立を図ることになりました。高度な技術習得のため外部講師を迎えることにもなりました。 理容美容コースは、美容液などの消費量を抑え、ニーズにあった技術を教師が学ぶ、など先生達からの意見を取り入れました。校長や学校にすべて任せるのではなく、積極的に全体のことを考えてもらうことができました。 また、今までの経済状況を公表し、限られた予算で、技術向上を目指せるかを一緒に考えることで教師達の固定した考えもオープンになり、責任感も生まれてきていることが、今回の大きな収穫だったと思います。

里子支援

里子訪問
里子訪問

街も様変わりし、発展に向け活性化しているルワンダではありますが、経済的にはまだまだ厳しい状況です。庶民の生活は圧迫され、数年前と比べると、物価が2倍3倍にも上がっています。そのため、一日一日の家族の食べ物を探すため、登校できない子供も増えています。家族というと4~5人ではなく、その倍10人ほどいます。食べ物があっても、学費を確保するほどまでの余裕もなく、退学していく生徒も多くいます。 そのため、学費を支援する里親制度というのを設けています。貧困者、孤児などが対象で、年間28000円でこの学校に通う生徒の学費、教育にかかる費用を支援する制度です。 今年度は、57名で支援を始めましたが、4名は、病気や上記のような家庭の事情で学校を続けられなくなりました。 以前の調査でこんなことがありました。「あなたの夢は何ですか?」の問いに以下のような答えが返ってきました。 「もっと生きたい」「両親がいて、食べる事に困らず、学校に行ける生活がしたい」 調査当時はとてもショックでした。日本のように「野球選手になりたい」などではなく、私たちがまだ普通にできていることが彼らの夢でした。この現実に驚き、里親制度を始めるきっかけとなりました。現在までに450人を支援しております。